この製本方法は製本、抜き加工の中でもスペシャル、難易度の高い製法であります。見た目のインパクトもさることながら、機能性にも優れています。当ラボでも4年前からこの製法に携わっていますが、再販率も高く、型は未だに流用しています。最初の作る際の手間はあるものの、情報の内容だけ変えて再販していけばコストパファーマンスにも優れた大変便利で使用率の高い製法技術です。
目次
イメージ
本を開く際に見出し付きがあると便利ですよね。このようなファイルブックはよく見かけますが、冊子など綴じられたインデックスがあると、探したいページが一目瞭然、もう一度見返すときなどに使用すると重宝します。いわゆるこれがインデックス製本で、特殊な抜きと製本の技術が必要となります。
インデックス製本の画像
こうしたインデックスは小口でも天地方向でもつけることは可能です。
インデックス製本の用途
見出しをインデックスすることで、カテゴリー別、メニュー別に識別できます。
画像は医療関係の冊子ですが、飲食店のメニューや商品の多いカタログに使われることも多くあります。現在、ラボでは会社案内をインデックス製本で作る計画をしています。例えばインデックス部分に製本の種別、設備ごとの振り分けをするとかです。
特にチラシと違い、比較的長い時間使用するための冊子としてこの製法は有効であると考えています。
医療関係の冊子、症状ごとにインデックスされてます。
料理店のメニューなどでは、インデックスの角を丸くして安全にも留意している。
料理店メニュー画像
インデックス製本のデザイン
インデックスの数やページ数に制限はありますか?
最大数量に制限はありませんが、ページを増やすと紙の斤量分の束がかさみ、芯ページに行けば行くほど、インデックスが出っ張ってきます。このため、紙の厚みを計測し、折って重ねた状態のズレの分の寸法を段階ごとに小さくする必要があります。極端なことを言えば、画像にあるような4p×6台の仕様、24p、用紙は135Kの両面PP貼です。この仕様で表紙は左右寸法148㎜ありますが、芯ページは142㎜しかありません。つまりインデクスを1データで1㎜づつずらしていかなくてはなりません。更に印刷デザイン上でも1㎜ひっこめたデータが必要となるわけです。ですので、ページに制限はありませんが、用紙の斤量を計測し、データ作成ができること、デザインを損なわない印刷用データができることが条件となってきます。
逆に言うと、ページを増やしたいときは用紙の斤量を下げるか、デザイン性を損なわないようにすれば、制作者の思い通りになるのです。ここをデザインのヒントとしてトライすることも面白いと思います。
インデックスの数も同様ですが、数を増やせば増やすほど型の数量やページ数が比例して増えていきます。項目が多い場合などは印刷デザインに工夫をしてみるのも良いかと思います。
製本方法
インデックス製本の場合、作り方は大変複雑です。インデックス部分を角丸にするか、表紙全体を角丸にするかなど仕様によって大きく異なります。
以上のような工程となります。そして各工程毎にインデックスのズレがないかをチェックしていきます。本来の製本工程では中綴じ後に化粧立ち、三方断裁といった工程がライン上で行われて本の大きさを整えますが、インデックスの角丸付きの場合には断裁ができないため抜いた段階で本の大きさ仕上げています。この工程がこの手法の一番難しく且つ重要な工程となります。
角丸がない場合にはむしりの工程がなく、中綴じ機のインラインで三方断裁できるため作業工程がわずかに変わります。しかしながらインデックス部分の余白を製本段階で落とすため、抜きのデータの作り方が変わります。細かく言うと小口側の仕上げる部分には抜きデーターはいらなくなります。
スジを押す箇所と抜きを入れる箇所⇒〇スジ部分
インデックス製本の価格帯
価格ですが、当然大きさや部数、ページ数、用紙などにより大きく変動しますが、抜き加工製本の中でも筆頭クラスで高価なことは間違えありません。単純に加工工程だけでも
- インデックスデータ型代 ×面付
- インデックス抜き @枚数
- インデックスむしり @枚数
- 特殊折加工 @部数×ページ数
- 仕上げ中綴じ製本 @部数
当然のことながらザックリという見積もりは出せません。ですからまずは仕様を決定し、そこをたたき台として比較検討していくことがベストです。
参考までに他事例でシュミレーションしてください。
気になる価格
インデックス製本の評価
インデックス製本の評価は非常に高くお勧めな製法である。機能性も充実しているため見た目インパクトよりもこちらを重要視されているお客様も多い。金額的にもしかするとびっくりするような価格が提示される可能性はありますが、再販や複数案件を突き合わせた印刷でコスト削減できる可能性のある案件です。
評価や画像以上のイメージを沸かせたい場合には、当サイトより工場見学、お問い合わせフォームからコンタクトをお願いします。