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「音声コード付き」をお知らせする機能

音声コードとは

最近では本に音声コードをつけることができます。音声コードを読み取る特殊な機械にかざすと内容を読み上げてくれる機能のことです。主には目の不自由な方たちが持っている読み取り機械に本をかざします。その音声コードの位置をお知らせするために、直径5㎜か6㎜(半円になると数字は半分です)の半円でその印をします。業界では一般的に「半円あけ」とか「切り欠き」などと呼びます。行政の入札案件では「音声コード読み取りのための切り欠き」などと表現されています。水道局からのハガキでの明細(最近はデジタル化されて見ることも少なくなりましたが)には必ずこの半円がついています。いわゆる印刷業界のユニバーサルデザインです。音声コード自体はアプリケーションでありスマホからでも解読できるものもあります。

音声コードの種類

音声コードは日本では2社から発行されています。メーカー違いであって機能は同じです。

1穴か2穴

いろいろな種類の音声コード付きを製本していると、仕様が1穴か2穴か2種類に分かれます。単純にこれは1穴は片面読み、2穴は表裏両面読みらしく、本の内容によって使い分けているそうです。去年からは1穴でも両面読みに対応したものも発行しているらしく最近では圧倒的に1穴が増えてきてまいりました。

1穴の仕様

2穴の仕様

仕様が使われる本の種類

会社で作っている本の中では圧倒的に行政のものが多いです。

  • 防災系の冊子
  • ゴミカレンダー
  • 国保のしおり

などです。観光地ガイドも増えてきているようです。

作り方

製本屋泣かせの仕事とも言われています。というのも一般的に穴あけは穿孔機と呼ばれる穴をあけるための機械を使用します。企画のパンチ穴や天側の吊るし穴をあけるときに使用する機械で作業します。この機械は本に上から圧力をかけドリル刃を入れて穴をあけるタイプです。半円あけるためにはドリル刃が本の半分位置しか入らないため「逃げ」が発生し穴をうまくあけることができません。

そのため多くの加工会社では、この穿孔機に細工を施し通常10冊束ねて穴をあけるところ2冊や3冊束にして穴をあけます。更にかなり慎重な作業になるため効率が落ちることと不良品が発生するリスクがあります。

当社では今回お見せすることはできませんが、中綴機にインラインで抜き機を設置し1冊ずつ抜きで半円をあけることが出来ます。そのため、通常の中綴機の1日の生産5~6万冊を同時進行で完成させることができるのです。

評価

デザイン的に評価できるようなものではありませんが、業界的にはユニバーサルデザインの代表格であります。決して綺麗で見た目すごいなと思わせるような外観でありません。がしかしながら加工技術としては難易度も高く、非常にリスキーな仕事です。

半円あけの評価
インパクト
(1.0)
加工難易度
(4.0)
デザイン性
(3.0)
総合評価
(3.5)

まとめ

半円切り欠きはユニバーサルデザイン、目の不自由な方のための音声コードお知らせシステムです。何気なく見たり使ったりしているものが、世の中で役に立っていると考えると、この仕事に携われて良かったと思える瞬間です。

もしかすると、この紙媒体の中でこのようなデザインがまだまだ作れるかもしれません。