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よく出る職業病

先日赤ちゃんのおもちゃ売り場に行くことがあった。子供は飽きっぽいのか、最初は楽しく遊んでいたおもちゃでもすぐに放り投げてしまう。そこそこ頑丈に作られているから壊れることは少ないが、この飽きっぽく投げ出してしまう性格を治すよりは新しいおもちゃを購入した方が安上がりで効率が良いと判断したからである。

不慣れな場所に行くと少し緊張してしまうのだが、あまり接することのないお母さんたちが子供連れで買い物姿を見ているだけで緊張感がほぐれほっこりした気分になる。

さて、お目当てはアンパンマンの音楽が鳴るそこそこゴッツイ家の形のおもちゃだ。ネット検索したもの実際の大きさや触った感じなどはネット上の画面では伝わらなし、レビューも良し悪し半々だ。探し当てたおもちゃは想像をはるかに超える大きさで、本当に0~2歳向きなのかと思うくらいの代物であった。

おもちゃコーナーには大人が見ても楽しめるようなものがたくさんあり、子供のためよりも自分が触って楽しむことの方が多かった。その中から自分にとって1つ選ぶにことは家事をやるより難しいことだった。自身では決して優柔不断ではない性格なつもりでいたが、この時ばかりは本気で決めることが出来なかった。そこで3つ候補をあげ、その中から消去法で選んで、来月また候補の中から除外されたものを買えばいいやという感じで気楽に考えることにした。候補に選んだのは同じようなスタイルで若干大きさや値段に差があるもののカテゴリーとしては一緒だ。条件的には飽きないためにも音楽の種類、効果音などのバリエーションが豊富であり操作が簡単なものである。ほぼ決まりかけた瞬間だった。

「音楽の種類はこちらのタイプが豊富で、人気がありますよ。」

と店員さんがプラスティック製のアルバムのようなものを数メートル先からもって近づいてきた。コロナ禍のソーシャルディスタンスが心地よく感じていた私にとっては迷惑な話だった。が、

「25種類の音楽が日本語と英語とカラオケが付いていて更にここにはたたくと自分で音を出せる機能が付いているのです。大変人気でお子様がケガなどしないような安全なつくりとなっています。歌詞カードもついているので3歳児くらいでも購入のお客様も多いですよ。」

内心は「余計な営業トークしやがって・・」と思っていたものの渋々手に取ってみると、これまた面白い。しかも場所も取らないので家の中の空間が保たれる。おもちゃは動くもののある程度の面積や導線を確保できないとかえって危険なものになるから慎重に考えていた。

導線の確保

この時点ですでに自分の工場の設備とダブらせていた。自社の工場はセパレート式の設備が多い。導線の確保、作業場所の確保には設備の新規導入の際にはいつも気を使い、何度も何度も採寸し、作業シュミレーションをしている。今回の買い物でもついつい導線の確保と生活の支障などをシュミレーションしていた。

これが職業病なのか・・

結果店員に特別な質問をすることなく勧められた商品を購入することとなった。

1時間以上も考え、悩んでいたことは何だったのだろうか?アンパンマンはどこに消えたのだろうか?そんなことを考えながら家路に向かい、とりあえず早く開けてみて使ってみたくワクワクした気分でいた。

歌詞カードの接着剤

ワクワクしながら早速箱からあけてみると、A4版より少し大きめのアルバムのような箱が出てきた。歌詞カードは中を開いたところにガッツリとボンドのようなもので貼られていた。当然紙の端は角丸になっていて安全は保たれていた。かつ綴じ部分はミシン綴じであり、中綴じのホッチキスで指でケガをする心配もなく、糊綴じで接着剤をなめてしまう心配もない出来であった。

ここでも職業病がでてしまうのか・・・

紙の形をみるとついつい仕事になぞらえてしまうため、いつも疲れが取れない。そう思うようになって私生活ではなるべく紙のものに触れないようにしていた。

ところで、あのプラスティックについていた歌詞カードの接着はどんな成分なのか・・

作る工程や材料まで深く追うようになっていた。

調べるという作業

何はともあれ無事に購入出来て、そこそこ満足いく商品だったので何の問題もなかったが、最後にこの接着剤だけが気になったので、次回調べることにいた。普段から接着剤を使用し成分や効能まで調べているのにどうしたことか、たまたま出くわしたこの糊の問題、

子供が万が一舐めたらどうなるの?

接着剤アレルギーってあるの?

などなど次回調査することにしました。

まとめ

記事を書いているうちに昔の先輩職人さんが言っていた言葉を思い出しました。

「製本の仕事は現場で覚えるよりも大型の書店に行った方が早い」

今になって思うことは、確かに世の中に出回っている書物や紙製本を見ている方が様々な疑問がわいてくるので、気になってどんどん調べていく。そして自社の機械でどこまでできるのか?できないなら何故できないのか?を追うことになるのです。